明るい話題の藤井七段

 コロナ禍のなかで明るい話題となっているのが高校生棋士・藤井聡太七段の活躍である。史上最年少でヒューリック杯棋聖戦のタイトル挑戦を決め、しかもその第一局を勝利で飾った。相手は現在将棋界で最強と言われている渡辺明三冠だからなおさらである。8日に行われた対局は、歴史に残る名局といえるだろう。

 私は素人ながら藤井七段の将棋に魅せられ、いつの間にか時間がある限り、藤井七段の対局をabemaテレビの実況で見るようになった。毎日新聞で名古屋勤務のとき、陶芸家に会うため瀬戸市に何回も足を運んだという体験があり、瀬戸市出身という藤井七段に親しみを感じたためでもある。

藤井七段はAIも予想していない手をときどき指してそれで勝ってしまうのだから、実に面白い。昨年の王将戦挑戦者決定戦では一瞬の隙をつかれて広瀬章人八段に敗れたがその後は28勝2敗と勝ち星を重ねている。今回のヒューリック杯棋聖戦予選でも菅井竜也八段、佐藤天彦前名人、永瀬拓也二冠をそれでなぎ倒してきた。

 ヒューリック杯棋聖戦は五番勝負。コロナ禍とあって、いつもは地方の有名旅館が会場となるが今回は東京、大阪の将棋会館がメイン。藤井七段はあと2勝すれば最年少でのタイトル獲得者になる。しかし相手が渡辺三冠だけに容易ではない。9日のテレビで田中寅彦九段は「これで五分五分」と語っていた。しかし「ひふみん」こと加藤一二三九段はブログで「藤井七段の3連勝もありえる」と述べている。勝負のヤマは6月28日の第二局になりそうだ。楽しみである。

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